自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
私を見た光は何でいるのかと、やはり聞いて来た。



光がパンを売る所を見に来た事を告げると、光は自慢気に今日も完売だと笑顔で言ったのだ。



私は光お勧めの明太子パンと、クルミパンを買う事にした。


光は販売などの人と触れ合う仕事は無理だと思ったが、何でもやってみないと分からないものだと思う。



光はその後パン作りをしたいとツバサの主任にお願いしたが、それが叶う事はなかった。


中々光の思う道は難しい。



光はツバサに3年間通った。



今年で20才になった光が新たな道を歩き始める事を決めて、ツバサを辞める決心をする。


私の仕事仲間の娘さんのお婿さんが、社会法人ステップを立ち上げ、障害者たちが働く場所を作ると言うのだ。



ステップに行っても、必ず上手くいくかは分からない。



もしも、そこが駄目なら、光はもう行く所はないのだ。



それでもいいと光は言い切った。


光は働く人になりたいと言う。


働いて、お給料を貰いたいと。


光の気持ちを尊重してあげたいと強く思った。


だから、迷わず前に進むしかないのだ。


不安がないわけではないが、決めたからにはもう後ろは見ない。


そうだよね、光。


今度は社会法人ステップに向かって。





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