自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
このキャンプで得たものはたくさんあった。



そして、このキャンプから帰って来た数日後、光が言葉を口にするようになる。



光が私を指差して、【おかあさんと】ゆっくり言った。



嬉しくて直ぐに父さんに電話をした。



受話器を持った光が、【おとうさん】と言うと、受話器から父さんのすすり泣く声が聞こえる。



光は自閉症特有のオウム返しでなく、ポツリポツリとゆっくり話す。


自分の名前も言えるようになり、兄たちの名前も言えるようになり


言葉が話せる事がこんなにも素敵な事だなんて、思いもしなかった。


光に教えられる事が多いとつくづく思う。


普通である事の素晴らしいさ。


二男が勉強が苦手でも、良いじゃないか。


長男が親に反抗出来ることも、普通に感じるし。


これからも光の成長を見守っていこうと、新たな決心をした。






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