恋々綴り。【短編集】

#10



 たとえば仮入部のとき、ある先輩に憧れて入ったら部活人生を謳歌できるんじゃないか、って思うこと度々。


 無所属なあたしは、教室から校庭を眺めていた。下には野球部。あ、あれ佐倉じゃんと同級生を見つめていたら。


 何故か佐倉がこっちに向いた。そして、大きく手を振られた。


 直後、監督から佐倉に向かって激怒している声が響く。


 手は振れなかった。
 夕焼け色に染まるユニフォーム姿の佐倉はあっちに行ってしまう。


 うん………同級生もありかも。



Fin
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