恋々綴り。【短編集】

#14



 彼は私の髪を触るのが好きだ。指にくるくると絡めてキスを落とす。


「花恋ってさぁ」


「なに?」


 冷静になれ。あたし。
 甘えるのが大好きな年上の彼氏。後ろから抱き締められながらされるその行為にぞくりとする。


「髪キレーだよね」


 そう言って髪を持ち上げられ、首がスースーした。そして項をペロリと舐められた。


「ひぅっ!!何すんの!」


 流石に抵抗。
 振り向けば、ニヤリと妖しく笑われた。


「肌もキレー……。触っていい?」



 結局解放されたの、一時間後。あぁ、麻薬みたい。


Fin
< 14 / 31 >

この作品をシェア

pagetop