恋々綴り。【短編集】

#28



 「うん、好きかも」そう言ってはにかんだお前はほんのり朱に染まってた。


 「試合中に手なんか振らないで集中して!」そう言って怒るお前が本当は嬉しかったって知ってる。


 「ねぇ………なんにもない」傍にいる時間が少なくなって不安に思っては押し込む癖だって。


 「幸せにしてくれるの?」受け取った指輪を握り締めてしゃがみこんだのは涙を見せたくなかったんだろ?



 純白に包まれた花嫁へ


 約束のキスをしよう。



Fin
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