『A』
………
美柑は、愛用のライフルを常に、肌身離さず持っている。
武器はある…だが、敵の位置、そして、数がわからない。
「ミカン」
「………なに?ヒメ」
「…敵の位置がわからないですか?」
「………うん
一人はわかるの…
でも、後何人か、必ずいる筈なんだけど…場所も人数もわからない」
「…私が敵を探すです」
「………できるの?
そんなこと」
「『電戦のA』を舐めて貰っては困るです」
クスリ、と、珍しく笑う石姫。
「…ケット・シー…起動」
石姫が携帯電話を使って、4階の彼女の部屋にあるスーパーコンピューター、“ケット・シー”を遠隔起動する。
「“チェシャ”にアクセス開始」
人工衛星“チェシャ”――美那海響子が独力で打ち上げた監視衛星で、地球上の至る所を、24時間監視可能という優れ物。
倍率も自由自在、この“チェシャ”に掛かれば、路上で落としたコンタクトレンズを探すことすらも可能。
つまりは、街中に潜むスナイパーを発見することなど、朝飯前なのだ。
「サーチ開始、倍率ドン
………
………
………!
…怪しげな人影を三つ、発見したです
データ、美柑の携帯に転送します…」
「…ヒメってばナイス!」