『A』
 
………

美柑は、愛用のライフルを常に、肌身離さず持っている。

武器はある…だが、敵の位置、そして、数がわからない。

「ミカン」

「………なに?ヒメ」

「…敵の位置がわからないですか?」

「………うん
一人はわかるの…
でも、後何人か、必ずいる筈なんだけど…場所も人数もわからない」

「…私が敵を探すです」

「………できるの?
そんなこと」

「『電戦のA』を舐めて貰っては困るです」

クスリ、と、珍しく笑う石姫。

「…ケット・シー…起動」

石姫が携帯電話を使って、4階の彼女の部屋にあるスーパーコンピューター、“ケット・シー”を遠隔起動する。

「“チェシャ”にアクセス開始」

人工衛星“チェシャ”――美那海響子が独力で打ち上げた監視衛星で、地球上の至る所を、24時間監視可能という優れ物。

倍率も自由自在、この“チェシャ”に掛かれば、路上で落としたコンタクトレンズを探すことすらも可能。

つまりは、街中に潜むスナイパーを発見することなど、朝飯前なのだ。

「サーチ開始、倍率ドン
………
………
………!
…怪しげな人影を三つ、発見したです
データ、美柑の携帯に転送します…」

「…ヒメってばナイス!」
< 136 / 401 >

この作品をシェア

pagetop