『A』
 
「クツクツクツ
よりによってこのタイミングで…
一度は捨てた息子の能力が覚醒し、敵として立ちはだかるとはな
クツクツクツ
とんだ皮肉じゃないか…
神よ!
貴方はつくづく、私という人間が気に入らないようだな!」

「オイはオイなりに、色々と努力してきたさね
このタイミングで使えるようになったのは偶然でも、それは、必然の上の偶然
神様なんか関係ない!
もし、何かが力を貸してくれてるとしたら…それは、きっとおかん」

「その喋り方を、今すぐやめろっ!!」

「っ!?」

明確な憤怒の表情をして、貫のことを睨み付ける一輝。

何か地雷を踏んでしまったようだ。

「真矢が、貴様に力を貸しているだと?
そんなことは有り得ん!」

貫を睨み付ける一輝。

だが、ここで気圧されるわけにはいかない。

《強制言語(ザ・ワード)》の使い手同士の戦いは、詰まるところ、意志力の競い合い。

心の強さの比べ合いなのだから。

「行くぞ…愚息がっ!」

「おお来いやっ!
クソ親父っ!」
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