ストレートラブ





あたしのお母さんは、夏生曰くあたしと同じらしい。何事もいつの間にか決めてて、恋に一直線で。



お父さんをゲットしたのも、いろんな手段を使ったらしいよ。その手段は、まだあたしには秘密って言ってたっけ。



『よかったね。夏休み暇にならなくて』



「良くない!山下くんとの時間が~……」



『あ、思い出した。里津が言ってたんだけどさ、山下くんも夏休みはバイトするらしいよ』



「え?嘘!?どこで!?誰とどんなことを!?」



『詳しく聞いてないけど、里津と一緒のところだって』



「里津くん、あたしに一言教えてくれても良かったのに~」



そしたら、絶対に山下くんと同じバイトにして、ずっと一緒にいられたのに!



『じゃあ、そろそろ切るわ』



「山下くん情報ありがとう」



『……喜んでなさそうだけどね』



だって、あたしのいないところでバイト……それに、女の子だっているかもしれないし、いや、絶対いるし。



「山下くんに会いに行かなきゃ!」



『……場所知らないでしょ』




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