好きの言い方も知らずに。



その淋しさと不安を取り除いてくれるあたしの味方、チャット。


ユウリにもチャットをしてることは言っていなかった。


チャットというネットの世界の年下の男の子に恋しているなんて絶対言えない。


あたしは今日もパソコンのスイッチを押す。


カタカタとキーボードを打ち鳴らしてルームへとログインした。


チャットをするために早く帰ってきたあたしは常連さんと会話を楽しむ。


諒くんのイン率は極めて少ない。


諒くんがインしていたとしてもあたしとすれ違うこともあるだろうから確かとは言えないけれど。


夜パソコンできないあたしにとって夕方に諒くんと会えることは奇跡に近い。


どうか、諒くんが来てくれますように。


そんな淡い期待を胸にひたすら待ち続ける。



< 15 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop