好きの言い方も知らずに。



何度も会話をする度に、どんどんと話がなくなることに、あたしは怖くて、


彼が他のところに行ってしまう気がして、必死に話題をつくる。


話題がなくても優しい彼はあたしのいる部屋にいてくれる。


そんなことを男の子にされたのが初めてだったあたしはとても嬉しくて。


あたしは彼にのめり込む。


彼はあたしが迷惑なはずなのにあたしを拒否しなかった。


あたしが彼のことを好きだときっと彼も気づいていたと思う。

『湊は俺が好きなのか?』


そう言われた瞬間、何故かあたしは素直になれなかった。




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