彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
「……倉田」
斗真くんはそう私を呼ぶと絡めていた指に再び力を込める
「…う…うう…ヒック…」
私はフラれたショックでそんなことに構っていられない
せっかく斗真くんが私の名前を…名字だけど、呼んでくれたのに
全然嬉しくない
「泣くな…」
「…ヒック…う…」
「泣くなって言ってるだろ?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━………‥‥!?
「━━━……んっ!」
ビックリした
一瞬のことで本当に涙は引っ込んでしまった
斗真くんの唇が私の唇を塞いでいる
「━…ん━━━…!」
少し身動ぎして抵抗するとアッサリと唇を離してくれる
「っ…はぁはぁ━━……」
「泣き止んだ」
え…?