彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
裏庭に付いて樹木に囲まれた空間まで行っても斗真くんの姿はなかった
「なんでいないのぉ〜…」
私は半ば挫けそうになりながら、その空間の中にへたりこむ
「もうやだぁ…」
どこ行ったの?
どうして何処にもいないの?
もしかして私のこと避けてるの?
嫌な考えがドンドン占拠していく
そして冷たい風が不意に頬を掠めて、ブルッと身震いをする
いや、でもここはずっといるには寒すぎるもんね
どこかに移動したんだ
暖かく居心地のいい場所に
でもそれって…
私はそこまで考えてゆっくりと立ち上がる
あった…
きっとあそこだ…
あそこ以外、もう考えつかない…
私はそう思って、ゆっくり立ち上がってその方向に歩みを進めるのだった