彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



私は急いで自分の席からカバンを取ると、斗真くんの背中を追いかけて走り出す



斗真くんを追いかけて追いかけて横に並ぶ



するとそんな私を見てフッとやさしい顔で笑う



斗真くん


いつかあなたに追い付けるかな?


それとも諦めなきゃいけない日がくるのかな?



「ホントにあいつってお前の弟?」


「え?うん…まあ半分だし一緒に住んでる訳ではないし、しかも2か月しか違わなけど…一応弟かな?」



どちらかと言うと私の方が妹みたいだけど…っと言うのは納得されそうだから言わないでおく



「ふーん…」


「何?」


「いや…あっちはどうだかね」


「え?」


「いや…わかんないならいい」






何だかわからないけど、とにかく誤解がとけて本当に良かったな



そう思って改めて斗真くんの横顔を盗み見る



斗真くんの本当の意味での隣にいきたい



でもいつか斗真くんに好きな人や彼女が出来た時



その時は精一杯応援するよ!私は斗真くんに幸せになってもらいたいもん!



喜んで諦めてあげるからね



そんな決意を胸に秘めて


また静かに斗真くんを見つめる



2人並んで歩く、秋の気配が近づく夕暮れ時だった





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