お願い、抱きしめて
サラサラして柔らかい髪…。
可愛いすぎて髪にキスを落とす。
次はおでこ。それから頬。
「恥ずかしいから…ダメだよ。それに…人、いるかもしれない」
「キス、したい」
口から落ちた本音に、菜子さんが顔を真っ赤にする。それから、躊躇うように目を閉じる。
オレは、ゆっくり右手を頬に当てて…。誰にも見られないようにノートで顔を隠して。
「…っ(菜子さん、好き)」
「ん…(音也くん…キス、長いよ)」
ケーキより甘いキスをした──
★END★