お願い、抱きしめて


サラサラして柔らかい髪…。


可愛いすぎて髪にキスを落とす。


次はおでこ。それから頬。



「恥ずかしいから…ダメだよ。それに…人、いるかもしれない」


「キス、したい」




口から落ちた本音に、菜子さんが顔を真っ赤にする。それから、躊躇うように目を閉じる。


オレは、ゆっくり右手を頬に当てて…。誰にも見られないようにノートで顔を隠して。



「…っ(菜子さん、好き)」


「ん…(音也くん…キス、長いよ)」




ケーキより甘いキスをした──



★END★


< 200 / 201 >

この作品をシェア

pagetop