恋色語

新しい色

「あの、神宮寺さんいますか?」


昼休み、傘を片手に教室の入口にいた子に声をかける。

するとすぐさま神宮寺さんを呼んできてくれた。


「傘ありがとね。おかげで濡れずにすんだよ」

「いえいえ。あの…怜から聞きました。旭 渚さんですよね。

えっと…二人きりで少しお話したいのですが…よろしいですか?」


なんだろう。用はすでに済んだし。


「うん、いいよ。どこでする?」

「学校じゃ人がいるので…。今日の18時、公園に来てほしいのですがいいですか?」

「分かった。じゃまたあとでね」


人に聞かれちゃマズイお話なのかなぁ。部活終わってから行くといい時間帯だな。



………


「っし、6月の校内新聞下書き完成。美樹、目ぇ通してくれ」

「……。この文字、もう少し大きくした方が見やすいんじゃないかしら?」


もうじき6月。今日の部活は部内活動。

この時期になると部内活動を増やして、新聞完成に専念するらしい。

だから今、八木と高梨さんがパソコンの前で話し合っている。
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