極悪彼氏
まず、学校のトップを取ると言った時点でゲンジ達が黙ってるはずはない。



誰がトップなのかと。



それの見せしめに向かったはずの1年の教室。



数年前、入学式での乱闘があった。



そのせいで在校生は入学式には参加できない仕組みになっている。



だからスピーチしたヤツの顔はわからない。



名前で判断して、つれてきたのが女とは…。



しかもチビ。



「めんどくさくてやってらんねぇ…」

「オイっ!!そのまま倒れ込むな!!膝枕みてぇで気持ちわりぃだろ!!」

「退けろよ…」

「このままじゃ示しつかねぇって言いてぇんだよ、俺は」



そう言ったゲンジはカチカチッとなかなか着かないライターに苛立ち始めていた。



そりゃあゲンジ達からしたら面白くはないだろう。



潰せると思っていた相手がヒヨコみたいなチビ女。



言いしれぬ不満が定期預金に入れられたようなものだ。



「めんどくせぇからマッパで吊しとけ」

「お前…最低だな…」



まさかゲンジからそんな蔑んだ目で見られるとは…。



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