極悪彼氏
過去ばっかり気にしてたって前に進めないもん。



「リクちゃんってパパに会ったことある?」

「家に何度か遊びに来たことあったよ。娘自慢してた」

「そっか!!ぜんぜん知らなかった」

「話してみると別人だね、鈴原さん」

「夢羽でいいよ」

「じゃあ夢羽」

「へへっ…」



なんだか暖かい気持ちになった。



あまり深い話はしないのに、リクちゃんは居心地がいい。



「もうすぐ夏休みだから学校おいでよ」

「夢羽が一緒にご飯食べてくれるならね」

「それって友達?」

「違うの?」

「違わない!!」



こうしてあたしに新たな友達ができた。



モデルさんみたいにスラッとしてて、美人のリクちゃん。



食後も話は尽きなくて、久しぶりのガールズトークを楽しんだ。



昼休みが終わる15分前、やってきたのは涼しい顔をしたコタロー達。



「ムーだ」

「ムーがありえない。同姓の友達がいる。しかも美人の」

「マジだ。ムーのくせに」



イズさんとツキさんが珍しいものでも見るように…。



失礼だな。



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