極悪彼氏
こんなに触れてたいと思ったのも、こんなに俺色に染めたいと思ったのも夢羽が初めてだ。



純粋に夢羽といたい。



くっついてたい…。



疲れ果てて眠った夢羽に布団をかけ、タバコを吸いにリビングに出ると信じられない光景。



「なんでいるんだよ…」

「取り込み中みたいだったから静かにしてたんじゃん」

「そういう意味じゃねぇ」

「大丈夫、パパは寛大だから。コタも年頃だし」



オヤジがコーヒーを飲んでる。



ふざけんな…。



ってか夢羽の声聞かれたんじゃねぇか…?



「何しに来た」

「家に帰れなくてさ~。彼女とのことがバレちゃってマスコミだらけ。ちょっと匿ってね」

「ふざけんなよ。テメーの自業自得だろうが」

「ここ、誰の家だっけ?しばらくしたら飽きてくれるでしょ」



オヤジが居候します。



息子に自分で住む家あてがっといて都合が悪くなれば逃げてくんのかよ。



俺はあんたに振り回されたくねぇ。



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