極悪彼氏
部屋に行ってみた。



ベッドに寝てる夢羽の赤い顔。



「なに盛ってんだ」

「普通に熱あるんですけど…」

「風邪か?」

「ん~、昨日コタが帰ってから3年生に水かけられたからかな…」

「ヒヨコって水に濡れても生きられんだな…」

「一応そこら辺は人間です…」

「昨日、お前と結婚できねぇ事実が発覚した」

「へっ!?」

「ショックだな…」

「あっ、そう…なんだ…」



まだ誕生日も来てねぇ。



いや、もうすぐ17だけど。



やっぱり夢羽もショックなのか…。



「休むのか?」

「う、うん…。さすがに熱がね…」

「俺も休む」

「なぜ…?」

「俺のヒヨコが弱ってるからな」

「…………好きにしてください」



看病してやる。



リビングに戻ったらスエット姿のオヤジさんがいた。



「うわっ、コタローじゃねぇか…。朝から気分わりぃ」

「あんた夢羽の前じゃ別人だな」

「俺は夢羽に甘いんだよ」

「あっそ。18になったら結婚するから」

「…………はぁ!?」



欲しい、夢羽。



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