極悪彼氏
渋々リビングに行き、夢羽の母ちゃんとお茶を飲んだ。



「コタローって母親いねぇの?」

「ん」

「父親ともうまく行ってないんだって?」

「どう付き合ったらいいのかわかんねぇ」

「修羽とケンカするみたいにすりゃあいいんじゃね?」

「そういうタイプじゃねぇ。不都合があれば逃げるか誰かに任せる」

「よくわかんねぇや」



俺もあの人がよくわからん。



いつ帰んのかもわかんねぇし。



「堅物なのか?」

「どちらかというと緩すぎる」

「でもお前を育てたんだろ?」

「面談とか、入学式とか。1回も来たことねぇよ」

「そうか、ならあたしが行ってやる。今度授業参観あるしな!!」



は…?



マジで?



この父か母かわかんねぇような母ちゃんが参観?



口癖が20倍返しの人が?



「遠慮」

「すんなよ」

「するって」

「何組だ?」

「どうせ夢羽に聞くんだろ…。2年3組…」

「えっ?お前2年だったのか!!」



知らなかったのかよ…。



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