極悪彼氏
入学式の体育館とは華やかなイメージを持っていた。



ここはそんな常識なんか一切ないらしい…。



色とりどりの頭。



まぁ、確かに華やかではあるけども…。



金、赤、茶、ピンクや緑までいる。



あたしの金髪が霞んで見えるのは気のせいだろうか…。



『自由な席に座ってください』



入学の案内にかかれていた通り、あたしは自由に席を選んだ。



「君、めっちゃカワイイね~。どこから?」



話しかけてきたのは隣に腰を下ろしたボーズ頭。



同い年なら野球少年のような幼さがあってもいいようなものを…。



細い眉毛や口元のピアスが野球少年ではないことを物語ってる。



「過去はこだわらない主義」

「なんだそれ!!超ウケる!!俺カケル。お前は?」

「夢羽」

「ムー?変わった名前だな~」

「あなたの頭も個性的」

「ぎゃははっ!!マジウケる~!!怖くねぇの?」

「怖く…」



ないわけない。



今まで関わり合ったことのない人種なんだから。



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