極悪彼氏
って言ったらややこしくなるのかな…。



「コタローはどんなつもりであたしに…」

「ちょっかい出すかって?」

「はい…」

「僕とコタちゃんって高校からの仲だからよくわかんないけど、ムーは特別な感じがする」

「それはお兄ちゃんの妹だからです」

「想羽さんって人でしょ?」

「はい」

「ゲンちゃんが言ってたのは、コタちゃんはその人が死んでから変わったって」



やっぱりお兄ちゃんとコタローの間には深い何かがあったんだ。



あたしはそれを知らない。



コタローの話はお兄ちゃんからたくさん聞いていたけど、深いとこまでは知らない。



「僕的に、コタちゃんは同情なんかしない人だから。ムーがその人の妹って関係ない気がする」

「そうでしょうか…」

「でもどうだろう。僕たちの仲では彼の名前はタブーだったし」



やっぱりそうなんだ…。



コタローのあの時の感じからしてそうは感じたけど。



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