観覧車【短編】
寂れた遊園地、
抜ける青空
目の前に迫る観覧車。
平日だからか休日もなのか
ほとんど人のいない
遊園地に私はひとり。
創立記念日で学校は休みで
そんな中、
ふらりと寄った遊園地は
少しだけ胸がつまるような
秋の匂いがした。
見上げた観覧車。
秋晴れ。
心地好い風。
すべてが私の味方みたいに。
目を閉じて胸いっぱいに
キリッと冷えた空気を吸い込んだあと、目を開けた。
そして、
彼がいた。