死んだ瞳の綺麗な人間

あたしの過去と気持ち

・星羅side・
あたしは
夢を見た。

それは
昔の過去…



あたしの人生は
小さな時から
そう
父に引き取られてから
狂い始めた。

毎日の様に
浴びせられる

《近寄るな》

《存在がウザイ》

《消えろ》

などの罵声。

だけど
唯一救いだったのが
同じ年の弟が居たこと。

空也は
いつも笑っていた。

この笑顔が
あたしには救いだった。

だけど
いつしか
その笑顔は
あたしにとって
苦痛に変わっていた。

何で
空也は笑えるのか…

何で
空也は愛されるのか…

何で
空也の瞳の綺麗なのか…

あたしは
空也の瞳を見ては
憎んだ。

そして
あたしはその気持ちを
押し殺すために
小学生の高学年の頃には
荒れて喧嘩の日々を送っていた。

あの頃の
あたしには
喧嘩しかなかった。

家では
邪険に扱われ…

そんな家に
あたしの居場所は無くて…

そしてあたしは
逃げる様に
夜の町に出た。

そして
始めたのが
喧嘩。

喧嘩をしてる時だけ
忘れる事が
出来たんだ。

自分の立場も
自分の醜い感情も
全部…全部…

喧嘩に
明け暮れるあたし。

だけど
ずっと思っていた。

誰か…
止めて…

あたしを
止めてよ…

って…

だけど
止めてくれる人が
現れる事がないまま
あたしは
小学六年生になっていた。


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