社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「あんたも別にどうも思ってないだろ」
「えっ」
「減るもんじゃないし。たかがケツを触った程度で警察は大袈裟なんだよ。それにそんなミニスカート履いてるあんたが悪い」
確かに減るものじゃないけど、そんな言い方ってない。
「もういいです。もう忘れますから…!」
精一杯の声でそう言うと電車から飛び降りたと同時に扉がプシューッと閉まる。
車掌さんと助けてくれた人と話しかけてくれた人に申し訳ないけど、少し逃げられた事に安心している私がいた。
「はやく、早く帰らなきゃ…」
マンションで拓斗さんが待ってる。
それに早く作らないと、お義母さんが教えてくれたのを。
ちゃんと出来るかな…
拓斗さん喜んで、くれるかな。