社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



拓斗さんにお弁当を作るなんて初めて。


そもそも、たったひとりの誰かに食べてもらう為に作る事自体初めてだ。





「ふふ」





何だか嬉しくて思わず頬も緩まる。


拓斗さんに作るお弁当作りがこんなにも楽しいなんて知らなかった。


夜ご飯とか作るのも結構楽しいけど、お弁当を作るのはそれとは違った気分になるっていうか…


全国の、毎朝お弁当を作る奥様方もこんな気持ちでお弁当を作っているのかな?





「あ、焦げちゃった…」





仕方ない。


焦げたのは私のお昼ご飯にすればいいから、もう一度焼こう。


綺麗に焼けたのは拓斗さんに。


っていうか、今更気付いた事がある。


このマンション内に果たしてお弁当箱って置いてあるの…?



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