社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



私はオレンジジュースを頼み、高山さんはホットコーヒーを頼んだ。





「名前は優子ちゃんだっけ?」

「そうです」

「それならそのまま、優子ちゃんって呼んでしまってもいいのかな?」





大歓迎と頷くと高山さんはさっきと同じようにふんわりと笑った。





「俺の名前は…」

「高山卓土さん、ですよね?」

「なんでフルネームをってああ、そっか、優子ちゃんに名刺渡したから知ってるんだよね」





拓斗さんと同じ名前だったからすぐに私は高山さんの名前を覚えられた。


それに高山っていう苗字は実家の隣にすんでいた高山さんと同じだから余計に。





「高山さんは」

「卓土でいいよ。俺だけ名前呼びは嫌だよ」

「それならこれからは卓土さんって呼びます」



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