社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



救急箱の場所は拓斗さんからまだ教えてもらってはいないけど、この辺りにありそう。


しゃがみ込み棚を探索していると…





―――ガチャ―





扉が開く音が聞こえた。


何だろうと思う前に…





「何を探してるんだ?」





待ち望んでいた2日振りに聞く声が聞こえてきた。


勢いよく振り返ればそこには拓斗さんが立っている。





「何を驚いてる?」

「拓斗さんが…」

「俺がどうした?」

「だって…。拓斗さんが帰ってきたから」





睡魔に負けるまでひたすら待っても帰ってこなかった拓斗さんがやっと帰ってきた。





「此処は俺が契約してる家だからな」

「……」

「駄目だったか?」



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