社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□I love you 拓斗side
こんな気持ちが俺にもあるとはな…
誰かを愛おしく思う日が来ると想像した事はなかった。
それなのに優子を知ってからは――
「よく寝てるな…」
静かに寝息をたてながら眠る優子のサラサラの髪を手で梳く。
ふと視線に入ってきたのは、折れてしまうんじゃないかと思う程の真っ白で線の細い首筋で。
これが生唾を飲み込む、か…
「若いな」
俺はいくつなんだ?
学生じゃあるまいし我慢は出来るだろ。
と、自分に言いフッと笑みを溢す。
「手加減しない」
俺はお前を離さない。
だから今の内に休んでるといい。
そう思いながら優子の髪に唇を落とした――…