社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



黙り込む俺を見て串田は理解したよう笑い頷いた。





「その笑みはなんだ」

「いえいえ。社長は顔に出ますからね」





顔に出る?


仏頂面と呼ばれる俺が??





「社長はかなり束縛派ですから自分だけの物にしたいのでしょう」

「……」

「その為にも子供を早く作り奥様を軟禁しようとしているのでは?ですが奥様はまだ子供を欲しがっておらずそれに社長が」





思わず書類を落としそうになる。


一体、串田は何を分かったと言うんだ?





「全く違う」





全く違う、よな。


未だに俺は優子を抱けてないんだ。


あの夜、手加減はしないと思ったわりには優子を見ていると誘う事すら出来ない。


だから余計に…



< 550 / 635 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop