社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「何ですか?」

「今日の事だが…」

「ごめんなさい。勝手に行ってしまって」





もう行きませんから、と拓斗さんに伝えると…





「何も言わず来られると困る」

「ごめんなさい」

「次からは事前に言ってくれ」





――えっ。


次からは、って…?





「また行ってもいいんですか?」

「何か用があればだが、来ても別に構わない」





いつ会社に行く用が出来るかなんて分からないけどそう言われるとやっぱり嬉しくて、我慢出来ずにエヘヘと笑ってしまう。





「どうした?」

「嬉しかったので」

「そうか」





なんて言いながら拓斗さんは目を少し細め笑った。


え、今、拓斗さんが笑った…?



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