【3】キャベツの男
 私は毎朝の通勤時、ひたむきな彼の頑張りを見る度に、昨日までの仕事の辛さや失敗を忘れ、元気を貰った。

 彼はいつの間にか、私にとって心の支えとなっていたのである。


 そんなある日の出来事である。

 店先から彼の姿が消えたのだ。
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