SilverBeast

居候

 スーパーで買出しをした唯は、帰路を小走りで急ぐ。


(まだ来ていませんように!)


 心の中で願いながら最後の角を曲がり家の門に着いた。

「あっ……」


 扉の前に誰かがいた。


 その誰かはこちらの気配に気付いたのか、バッと唯の方へ振り向く。

 所々ハネている銀の髪が揺れる。

 その間から現れた瞳は漆黒。

 体つきは男のものだ。


 真っ直ぐな力強い視線に射抜かれ、唯はその場で固まってしまった。


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