SilverBeast

 数ヵ月後、唯は『ラヴィング』を辞めていた。

 西條に会うのが気まずかったからというのもあったが、本当の所は違う。



「……う~ん、これであってますか?」

 おずおずと自信無さ気に、ウェンに一枚の紙を差し出す唯。

 ウェンはその紙を受け取り、ざっと読み流す。

 そしてそれを返しながら笑顔で答えた。


「合ってるよ。凄いね、英語は苦手だったんだろう?覚えが早くて驚いたよ」

「それだけ頑張ってますもん!あっちに行くまでには日常会話くらい出来るようになりたいですし」

 今唯は、あれだけ苦手だった英語を勉強している。

 理由は唯の母親、ミツコが原因だった。


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