SilverBeast

救い

　それから六年がたった。

　周囲の人は六年前に亡くなった哀れな娘の事などもう覚えてはいない。


　孤児院の院長ですら、命日に思い出すだけ。

　人は日々変化する。ウェルベントもしかりだ。


　だからこそ、ウェルベントは怖かった。

　自分さえもアリアのことを忘れてしまうかも知れないことに。


　そんなある日、大学の教授にある研究施設に連れてこられた。