SilverBeast
 そのような多面性を矛盾も無く一つの人格で共有している。


 本来なら、一人の人間が受け止めきれる物ではない。


 それを知ったとき、ウェンはギンを守ろうと決めた。

 ギンが、知らぬうちに自分を救ってくれたように。



 だからこそ、今日の失敗は身を切られるほどに悔しい。

 大丈夫だと、根拠の無い慰めしかいえない自分が腹立たしい。



 ウェンは、朝が来るのを恐ろしく感じた。


 もし唯がギンを拒絶したら、ギンはどうなるのか……。

 もう自分の慰めでは足りない。


 でも、恐ろしく思うと同時に希望も抱いた。




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