SilverBeast
数時間後、唯は重い痛みに朦朧としていた。
「う~」
(ショーツの替えはあったけど……薬も持ってくれば良かった……)
朦朧とそんなことを考えながらも、頑張って最後の客が帰るまで顔に笑顔を貼り付けた。
「唯さん、大丈夫?」
最後の客が出て行くと同時に、西條が声を掛けてくる。
「だい、じょうぶで……す……」
言いながら、目眩がして上体が揺らいだ。
客がいなくなって、緊張の糸が切れてしまったかのようだ。
(あー、まだ片付けしなきゃないのに……)