SilverBeast
迎え
小一時間ほどたったころだろうか。
西條が戻ってきて、着替えてくるように言った。
「着替えたら外で待ってて、送るよ」
断る理由も見つからず、唯は頷くしかなかった。
更衣室で着替えながら、状況があの夜に酷似していることに気付く。
「この状況で……返事、しないわけには……いかないわよね……」
小一時間休憩室で休んだおかげで体調は幾分良くなっていたが、今度は気が滅入ってきた。
未だに気持ちの整理が出来ていないのに……なんといえば良いのかすら分からない。
と悩んでいても待たせてしまうだけだ。
「聞かれないかも知れないし!もうなるようになれ!」
ほとんど投げやりの状態で、唯は外へ向かった。