SilverBeast
本音
「なかなか返事をくれないとは思っていたけど、もしかしてあいつが原因?」
少し遠回りをして車を走らせながら、西條がさりげなく聞いてくる。
「…………はい……」
何か言い訳をとも思ったが、隠し通せる自信は無かった。
いや、そのつもりも無かったのかもしれない。
「『先に帰って』って言ってたけど、もしかしてあれが居候の一人?」
遠慮がちに、それでもしっかりと疑問をぶつけてきた。
「……はい」
唯はその一つ一つに肯定の返事をすることしか出来なかった。
「あいつのこと、好き……なの?」
どう言おうか迷った。