Hope is not thrown away.
彼女との出会い




4月の春


星蘭高校に入学した俺、青山春斗は



新しいクラスにも慣れ、



青春を満喫していた。



俺は何の部活にも所属していないので



帰る支度をして、ワイワイ騒いでいる教室を出ようとした。


だが俺の行動はある女子生徒の発した声で阻止された。



「ねぇ、春斗。ちょっといい?いいよね?返事は″yes”か″はい″だから」


なんかもう無茶苦茶な自己中発言を言っているコイツは



松本奏。俺の幼馴染だ。


なぜかこの学校は一年生が生徒会をやってもいいらしく、


奏は星蘭高校の生徒会長を務めている。


しっかりしていて姉ちゃんみたいな存在だ。


話に戻るがまぁ俺は今日暇だし内容によってはきいてやらないことはない。


「なんだ?短めに言えよ?」


「うん。あのね、病院に行って欲しいの。」


「お前っいくらなんでも酷すぎだろ!?」


「は?」


「いくら俺がバカだからって病院を勧めることはないだろ!」


確かに俺の頭ん中は8割遊びで残りの2割が睡眠でお祭りモードだけどさ、

中学生の学力ぐらいはあんだぜ?

「今のセリフからして病院を進めたいのはやまやまなんだけれど、
 私の代わりに”お見舞い”に行ってほしいの。」

え?

お見舞いー…?

誰の??

奏の彼氏とかか?

でも男の俺に行かせるなんてのはおかしいなぁ…

もしかしておばさんか!?

それなら俺にも接点があるし…

いつも世話になってるしな!

「別にいいぜ!えーっと須賀野病院か?」

あの病院は奏の家にも近いしたぶんあっていると思うけど…

「そうそう。須賀野病院。ちなみに205号室だから。」

「OK!りょうかーい。見舞い品は花でいいか?」

「そうね、花でいいわ。でも椿の花とか百合は駄目よ?」

はいはい、と俺は適当に相槌をうって奏と別れた。



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