Love♡LDK

「そう・・・。じゃあ私と結婚してね?」
「だからっ!無理だっつーの」

柚香はどうしてそんなにも俺を欲しがるんだ?

「俺帰るぜ?」
「えぇ~。せっかく来たんだし、一緒に撮影しようよぉ~」

俺の腕をに自分の腕を絡め、胸を押しつけてくる。

・・・別に比べたいわけじゃないけど、満奈の勝ち。

「嫌だ」
「お願い~」
「嫌だ」

そんな言い合いを繰り返していた時だった。

「Yukaさん、流川さん。出番です」
「はぁ~い♡行こっ、隼斗」

スタッフさんが来て、コイツと・・・俺の名を呼んだ。

その瞬間、俺の身体はピキッと硬直。

・・・マジかよ。

はぁ・・・。

でもまぁ、仕事だし。

ちゃちゃっと終わらせて帰るか。

「分かりました」

俺は仕事モード。

ニコッと笑ったのが嬉しかったのか、柚香も俺を見て笑った。

仕事仕事っ・・・。

ここは割り切るしかないっ!



「流川くん、その顔いいね~」
「ありがとうございます」

撮影用の服に着替えて、柚香と2人でカメラの前に立つ。

手を繋いでるんだけど・・・。

俺、満奈とすらそんなに繋いだ事ないのにっ!

これからはずっと繋いでよ・・・。

「じゃあ、恋人らしい感じで!」
「はぁ~い♪」
「ん~、抱きあってもらおうかな」

・・・はぁっ!?

顔はニコニコだけど、心の顔は不機嫌マークな俺。

「OKでぇす!・・・こんな感じかなぁ?」
「ちょっ・・・」
「「「きゃあ~っ!」」」

辺りから悲鳴が上がる。

柚香は遠慮なく俺に抱きついて来た。

仕事仕事っ・・・!

自分にそう言い聞かせて、何とか撮影を乗り切った。


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