Love♡LDK

「どうなの?」

頬杖をして、あたしを見る柳さん。

“今でも想ってるの?”

そんなの・・・当たり前じゃない。

大好きだよ。

愛してるよ。

あたしは、彼のお嫁さんになりたかった。

だけど―――。





「いいえ」





いい加減、自分の想いにケジメをつけなきゃいけないかな?

ホントなら“はい”って答えるよ。

でも、あたしの目の前にいる人は、





―――あたしの、婚約者。





気持ちはなくても、生涯一緒にいる人だから。

離婚とか、めんどくさい事にはなりたくない。

それに。

あたしがこんなに隼斗を想ってても、彼には届かない。

・・・ううん、届けられないの。

だから、この気持ちは全て過去形にしてしまおう。

大好き“だった”よ。

愛して“た”よ。

隼斗なら、あたしよりもいい人を見つけられるよ。

今まで、ありがとう。

あたしが初めて本気で愛した君へ。





この日。

あたしは、隼斗への想いにさよならを告げた。

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