Love♡LDK

「私、Cherry Iの社長令嬢、桜井満奈と申します」
「あっ・・・大友雪都です・・・」

あたしがお辞儀をすると、大友さんも慌ててお辞儀をした。

「さて、と。満奈ちゃん、何か飲む?」
「はい」
「と言うわけで、また後でね~」

頬を真っ赤に染めてる大友さんを置いて、柳さんはあたしをその場から連れ去った。

そして彼は、ウェイターを呼び止めた。

「2つもらおうか」
「どうぞ。オレンジジュースとワインがございますが」
「オレンジジュースで」

にこやかにグラスをあたしに渡すウェイター。

柳さんはワインを受け取った。

そっか・・・。

もう20歳だもんね。

あたしはまだ18歳だけど。

そんな事考えながら、グラスのジュースを一口飲んだ。

立食式のこのパーティー。

たくさんの人が、歩き回っていた。

・・・それと。

「ほら。あれがあの桜井満奈よ」
「流川隼斗の次は柳様!?」
「有り得ない・・・」

たくさんの綺麗なお姉様方が、いまだにあたしを睨みつけていた。

まるで、“あんなブスがイケメンと・・・”とでも言っているかのような恐ろしい目つき。

あ~ぁ。

大きな目が台無しになっちゃうよ?

それに・・・。

“あの”桜井満奈。

“流川隼斗”の次。

やめてよ・・・。

あたしはもう、芸能人じゃない。

“ただの”一般人なの。

それに、隼斗とはもう何の関係もないの。

あたしが一方的に振って。

・・・あたしが一方的に、想ってるだけ―――。

隣にいる柳さんを見た。

今、あたしのいるべき場所は。

"Cherry I"の会社と。

―――彼の隣。

「・・・っ・・・」

胃が、キリキリと痛んだ。
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