Love♡LDK

カフェに入り、小さめのテーブルに案内された。

あたしはアイスココア、麻友はコーヒーを注文する。

「満奈、大丈夫?今日はずっとボーっとしてるけど・・・」

店員さんが去った後。

麻友が話を切り出した。

「何かあった?」

優しい声で、そう聞いてくれる。

そんな温かさが、今のあたしには必要だった。

別れただけでも悲しいのに・・・。

忘れられたなんて、凄いショックだよ。

“誰?”

あの時の隼斗の顔が、忘れられない。

あの時の隼斗の声が、耳から離れない。

“満奈の事、もっと知りたい”

でも・・・そう言ってくれた時は、嬉しかった。

・・・だけど。

“お前は、俺のモノだ”

柳さんのあの台詞が、怖くてたまらない。

キスされ、抱かれたあの夜。

今でもゾッとする。

怖い。

嫌だ。

柳さんに、会いたくない。

きっとまた隼斗に会ったら・・・次はどんな事されるか分からない。

だからあたしは、隼斗に会いに行けずにいた。

気がつけばあたしは、麻友に全部話していた。

隼斗が夜道で襲われた事。

仁菜と同じ方法で襲われた事。

心配で、会いに行った事。

あたしと、あたしに関する記憶だけを無くした事。

柳さんに、抱かれた事。

全部話した。

もう、ダメ・・・。

あたし、生きたくないよ・・・。

「そっか・・・」

話し終わった後。

麻友は小さくそう言った。

< 628 / 776 >

この作品をシェア

pagetop