アニメラブ




「…う~ん、どうしよう」


放課後になっても、私はまだ悩んでいた


「マル、行かない方がいいって」

「でも…」

「危ないから、行っちゃ駄目だよ」


確かに、怖い…


けど、行かないからって、イジメがなくなるわけじゃない


きっと、明日には下駄箱に何通も挑戦状が入っているかもしれない


私は、行ったほうがいいんじゃないかと思ってしまう


「…わ、私行く!」

「ちょ、やめなってばっ」

「すぐ戻るからっ!」

「…もう、知らないからね!」



今日は部活があるけど、遅れちゃうけど、やっぱりはっきりさせたい







「…あれ」


いない…?


体育館裏には、誰もいなかった





「…帰っちゃったのかな」


それとも、ただのいたずらだったのかな?


グイッ


「きゃっ」


な、なにっ…!?



「あんな手紙で来るなんて、マジ馬鹿だね~~っ」

「アホヲタクなんだね~~っ」


…だ、誰?


後ろを振り返れば、知らない女の子が二人いた


しかも、私の腕は彼女たちに捕まれて動けない




「あの、なんで…こんなこと」

「アニメヲタクのくせに、七瀬に近づいてんじゃねーよっ!」


七瀬くんに…近づいちゃいけないなんて、なんでそんな


「あー、遅れた~。ごめんごめ~~ん」


向こうのほうから、知らない女の子がまた一人、こっちに向かってきた


「遅いよナミ~~!」

「悪いわる~~い」


ナミ…?


知らないな


< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop