ヴァイブ
太一の彼女でいる時は

『好き』な事に『一生懸命』で、

恋っていいね。

…なんて事も思っていた。


母にも…

太一との事を

事細かに話してた。

「うん。うん。」

って、ニッコリ笑って聞いてくれていた。


「お父さんが知るとショック受けるからまだ話しちゃダメよ。」

って、口の前に人差し指をあてて…言ってた。



それなのに……!



………っお母さん…


………お母…さん…


………………お母さん?



それは、それは…



ダメっ…ダメ…




思いだしちゃっ…



………ダメ……!!



ガバッ!!

「っはぁはぁ……」

勢いよく起き上がって、回りを見渡す。

玲二の部屋。

隣で玲二が寝てる。

体中、びっしり汗をかいている。

喉がカラカラに渇いてる。

「…はぁっ…」

今…

何かを…

思い出しそうになった…


目を力いっぱいにつぶって首を横に振る。


思い出すな。

思い出すな。

頭の中で唱えながら。


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