ヴァイブ
「それに、玲二に言われたんだ。」

「なんて?」

「彼女と兄貴の事、許すも許さないも自分次第だよ。
一生、許せなくても仕方ない。
だけどな、もし、ほんの少しでも許したい気持ちがあるのなら
憎んで、憎んで、恨んで、憎んで…
それから許す事をしても遅くない。
ってさ。」

「そうか…」

「でも、半年以上は経ったとは言え、まだまだ時間はかかるけど
死ぬほど憎んでから許せる時がくればいいな。とか思ったりしてさ。」

「そうかもな。」

「そんなわけだから、来週、2、3日いないから。」

「わかった。」

「じゃあ、行ってくるわ。」

「いってらっしゃい。」



響への冷たかった態度も平穏になっていた。

あの酔いつぶれてた日。

話してた事は、ホントなんだな。と思うと…

微妙に同情が入ってるってのがあるんだけどさ。


< 154 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop