バカモンのスゝメ【短編】
「いらっしゃいませお二人でおこしですか禁煙席と喫煙席がございますが禁煙席でよろしいですかあちらのテーブルへどうぞ~」

もう常連と言っていい二人に店員は質問の応えを必要としていない。

張り付いた笑顔で立て板に水のマニュアルトークを放ちながらいつもの席に案内する。

その間わずか0、003秒。光よりも速い接客だった。(辻霧の体感的に)

「ご注文はお決まりですか」

「君の心と体をテイクアウトで」

と辻霧が言えば生倉は

「シェフのお任せを三人前」

「それでは後程伺いますのでご注文が決まりましたらそちらのボタンでお呼びください」

アホ二人のセリフを鮮やかに無視して店員は去って行った。

これもいつものことだ。

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