キミがいなくなるその日まで



診察が終わった後、私はそのままシンの病室に向かった。なんとなくさっきの話で気が重くなってしまったけどシンに会えば大丈夫。

───ガラッ。


扉を開けるとすぐにシンの姿が。


『マイっ!』


まさか扉を開けてすぐ居ると思ってなかった私はビクッと肩を震わせた。


『わ、な、なに?どっか行くの?』

丁度、鉢合わせになっちゃったかな。 それにしてはニコニコしてるけど。


『ううん、マイを待ってたんだよ。なかなか来ないから部屋をぐるぐる回ってた』

『もう、なにそれ。ちゃんと寝てなきゃ駄目じゃん』


まだ病み上がりなんだし、また倒れられたら今度は私の心臓がもたないよ。


『ほら、とりあえずベッドに入って』

私はベッドの毛布をめくってシンの手を引っ張った。


『マイ、お母さんみたい』


あれ、この台詞前にも言われた気がする。だって世話も焼きたくなるよ。シンはのほほんとしてるから。

それなのにシンは私に弱い所を見せてくれない。


薬だって絶対私の前で見せないし、飲まない。
まさかあんなに大量の薬を飲んでいたなんて知らなかった。


シンは移植の事どう思ってるのかな。

診察室で毎日先生と何を話してるの?

病気の事?移植の事?日常の事?詮索するなんて私が一番嫌いだったはずなのに。


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