キミがいなくなるその日まで

┗聖なる夜





それから数日が経って、今日はお母さんが着替えを持ってきてくれた。

お母さんの格好もいつの間にかコートになり窓から見える木の下は紅葉で散った落ち葉がたくさん風で舞っていた。


『ねぇ、私が昔買ってもらった小さいクリスマスツリーあるじゃん?あれ持ってきて欲しいんだけど』

『ツリー?どこに閉まってあったかしら』


お母さんが分からないのも無理はない。だってツリーを飾っていたのは最初だけでそれからはずっと箱に閉まったまま。

あんなに欲しいとねだって買ってもらったのに。


『私の部屋のクローゼットにあると思うから。
後、クリスマスグッズも適当に持ってきて』

やろうと言ったのは私なんだから約束は守らなきゃ。それにシンが楽しみにしてくれてるし。


『いいけど……部屋に飾るの?』


お母さんの問いかけに私は一瞬無言になる。

イベント事に興味がなかった私が言うんだから疑問に思うのも当然だよね。


『ううん、シンと一緒に使うんだ』


また口うるさく言われるかな?
でも嘘なんてつきたくないし。

するとお母さんは何も言わずただ『分かった』と言った。


そう言えばお母さんは最近ガミガミ言わなくなった気がする。喧嘩も少なくなったしお互いにイライラしてない。


きっと私が接し方を変えたように、お母さんも私に対しての対応が変わってきている。

だからなのか、私達の関係は今までで一番良いと言えるかもしれない。


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